綴らずにはいられないので綴らさせてください

■報道のTBS■

12月2日の17時30分ことです
図らずもTBSの「報道特集」を視聴しました

この番組は、前身番組からだと40年超続いている報道ドキュメンタリーです
TBSはかつて「報道のTBS」「ドラマのTBS」と言われていた時代がありました

ドラマの脚本家の代表格は11月29日に逝去された山田太一
ホームドラマや群像劇が多く作られていています

報道であれドラマであれ「人」を取り上げ掘り下げて伝えるのが得意なテレビ局でした

個人的な感覚ですが、近年の報道特集は、偏向報道というか、何らかの作為を感じてしまうことが多々あったので長らく視聴していませんでした

今回の特集の1つは、「実父による性的虐待を提訴した23歳の女性」

その日はたまたまTBSにしてしまったのですが、その特集が気になりそのまま視聴することに

ジャニー喜多川氏による性加害問題について、日本のメディアは結果として黙認を許し続けてきました
海外メディアが取り上げたことを糸口に、被害者への補償に繋ぐことに
まだ、具体的な補償の支払実行には至っていません
ですが、海外メディアが取り上げなければ被害者は、何事もなかったように墓場まで持っていくしかありませんでした

きっとこの件に関する日本のメディアに対する国内外の批判もあるでしょう
現在、TBSに限定的な話ではありませんが、性加害問題は非常に「熱い話題」
積極的に取り上げて報道をしているように思われます

「報道のTBS」への復権も狙いとしてあるのかもしれませんが、ザックリ調べたところ、報道特集でも、ジャニー喜多川氏の性加害問題の後追い報道
そしてさらに広げて、世の中の様々な性加害について数々取り上げている様です

その1つが今回の件なのでしょう

正直な感想です
「視聴していて辛かった」

私は、実父による性被害者ではありません

私の場合は、毒母と毒姉から40年超の期間、搾取され続けてきました
そしてその結果、家事調停も申し立てました

なので、クソみたいではなくクソそのものの家族も実体験で血縁者として対峙してきています

法的な手続きを申し立て、絶縁をしたことにより親戚からの非難にも遭いました

テレビを視聴していて、つい「うわぁ~」と声を何度もあげてしまいました

■家族という言葉の正しい意味は凌辱やはく奪をする相手■

私は25年程前に、姉から売春強要に類似のことをされ、さらに隠ぺいを促されました

なので、当時、思春期の中学2年生だったこの女性に対して性的虐待を行った実父が
「このことは、お母さんには内緒にしような」
と言ってきた

とのナレーションで、保身だけの毒姉の狡猾さにより、さらに自尊心を踏みにじられた25年以上前の感覚と、言われた場面が蘇りました

「このことは、母さんには言わないでおこう、言ったら母さんが悲しむから」
と、毒姉は言いました
そして、私がSMクラブで働いて作ったお金を受け取り、自身の引っ越し費用としました
「せっかく用意してくれたお金だから、これは貰っておく」
と、毒姉は顔色1つ変えずに私から80万円を受け取ったのです
そこまで私を追い込んだ、毒姉の人非人で極悪非道な人権蹂躙のモラハラ言動については全く詫びることがありませんでした

事実を知ったら母が悲しむなんてこと、加害者の毒姉から言われなくとも解っている
むしろ、加害者のくせによくそんなことが言えたなと
いえ、被害者の私の性格を熟知している加害者だからこその隠ぺい誘導発言です

この23歳の女性の実父は、良し悪しで言えば最もしてはならない卑劣な行為を行ったことは自覚しているんです絶対に
でもむしろその背徳こそが無くてはならない大切な要因

父親であるという被害者に対する絶対的優位な立場であることを認識できるものであり、自己顕示欲を満たす重要な要素
なので、血縁である実の娘だからこそ得られる高揚感や充足感で、気分がよくて仕方がないんです

実父にとっては、他の相手では絶対に得ることが不可能な、代替の効かない唯一無二で特別な心身の満足感が得られるのが実娘への性的虐待なんでしょう

そして配偶者である、その女性の実母に対しての口外を口留め
言葉の真意は「お前が言ったら、家族はバラバラになるぞ」「お前は家族を壊すのか」
実父が思春期の娘を脅すわけです

それも「言うわけがない」と安心しきる気持ちと、時折「もし言ってしまったら」と不安になる気持ちとの両方で快楽としては特別だったのでしょう

自分の欲求を満たすことしか一切考えていない狂った父親です

■いくら正しくとも実際の権利行使は安易ではない■

彼女と私とでは全く事象が異なります
したがって彼女の気持ちは解りません
でもその「解らない」とは、このような過去のある私でも計り知れないほどの深い苦しみを彼女は抱えることになり、現在も苦しんでいるという意味です

以前、サイコパスおじさん岡田斗司夫氏の「狂った親からは離れて逃げる権利がある」という発言に言及しました

まさしくそのとおりなんですよ、それはなにより正しい

この女性は実父からの性的虐待を中学2年から高校2年まで、他言できずにいました
その4年間、時には避妊もしない状態で性的虐待を受け続きてきました

そして、口外できたのは高校2年の時で、相手は高校の保健師の方
そこから、児童相談所へという流れによって、事件は明るみに出ることに
明るみといってもこの時点では、家族と親族・親戚が知ることになっただけです
明るみになったことで、実父と実母は離婚し父は家を出ることになりました

被害女性は、この時は刑事事件としては被害届も告訴状も提出していませんので事件化されていません

岡田氏の「狂った親からは離れて逃げる権利がある」というもの

確かに彼女はもっと早くに権利の行使を理論上はできました
また、加害者と被害者という当事者以外の人にもつまびらかになったことで、事件化に動くことも理論上はできました

でも、それは安易ではありません

4年間という経年
私は動かなかった被害者に対して「なぜ、もっと早くに」とはとても言えません
動かなかったのではなく動けなかったのです

決して間違った解釈をしてはいけないこと
それは4年間我慢できたのだから、それだけ精神的に強い人だというもの
彼女の被害の4年間は単に自身の肉体と精神が死んでしまわないように、自己防衛で心の許容の器の体積を広げるのが上手くいっていただけ
強いとか弱いなんかじゃない
こんな狂ったことをされて健全でなんていられるはずがない

そして、高校2年の時に彼女の器の中の水が溢れてしまっただけです
むしろ、溢れたしまった時に対応してくれたのが保健師の方で良かった

そもそも、多くの人が逃げる権利を行使しなくてはならないような親の下でなんて育っていません
自分の身がそんな場面に置かれたことがない人がほとんどなんです

もっと早くになんて、行動に移せた訳がないじゃないか!!
権利を有しているからとて、権利行使はそんな安易じゃない

■報道するだけで役目を果たせたとでも?■

従前から、報道の対象者の人権に関しては、実際は全く守られてはこなかったのだと思います
ただ、それ自体が報道されていなかっただけかと

そして現在は「匿名掲示板」やSNSを介して、さらに自由に報道の対象者に対して意見等を述べられる場所が増えています

人権擁護の観点からあまりに悪質な物に対しての「情報開示請求」もスムーズになってきているとは言えども、報道の対象者の人権は擁護されるどころか剝き出しになり、晒されています

報道とは、時にアンタッチャブルな所に踏み込んでいかなくてはなりません

今回の件はまさにそう

どこまでが報道の責任なのかというと線引きは難しいものです

でも、ネットがなかった時代と同様の「報道するだけ」という責任の範疇のままで良いとはとても思えません

■終わっていない精神的な死の問題です■

放送終了後、感想などを書き込む様々な場所での書き込みを見ました
概ね、被害者に寄り添うものです

ですが、やはり一部は批判的な物もありました
悪意の存在の有無は別として、感想ですから、批判的な物もあって当然です

今回の女性も取材を受ける時点である程度の覚悟をして臨んでいるとは思います

「もっと早くに言えば良かったとのでは?」
「なぜ、発覚した高校2年生当時ではなく23歳となった今、刑事告訴と取材を受けたのか?」

この位なら良いのですが、明らかに悪意の塊みたいな物も散見されました

実父による娘への性的虐待が、家族と親族・親戚に明るみになった後のことです

離婚して家を出た実父の転居先はなんと自宅の裏であったこと
また、その後も父は家を訪問して来ていたこと

こんな対処の仕方をする家族と親族・親戚ですよ
実父からの隠ぺい口留め要請があったにせよ、本当に頼れる人物が居たならば、彼女は心の許容の器の体積を広げて常にギリギリのところで耐え続けずに済んだと思います

傍から見れば、もっと早くに逃げられたかもしれないのに、彼女が逃げられなかったのには理由があったんだと思います

彼女は結局、逃げるために東京の大学へと進学することにしました
大学進学により、加害者である実父から実質的に離れられたのですが、精神疾患を発症してしまいます

そして、配偶者の方と出会いました

彼女が刑事告訴に踏み切ったのは、配偶者の方がいたからだと思います
やっと彼女の全面的な味方が現れてくれたから、

多分、彼女が現在患っている精神疾患は一朝一夕に改善されるものではないでしょう

原因となっている事象から考えると、改善どころか一生精神疾患と、うまく折り合っていかないとならないであろうことは想像に難くないです

刑事告訴の意を伝えた時の家族や親族・親戚の言動は、私は自身の家事調停の申立ての時を思い出して、クラクラしてしまいました

あのような大人しかいない状態で、当時高校2年生の彼女が刑事告訴をせず、今になって動いたことは当然ですよね
被害者である彼女を二次被害に遭わせる二次加害者しか身内にはいないのだから

そして、この事件は彼らにとって自分たちは関係者ですらない、所詮他人事なんです
なんならむしろ面倒事に巻き込まれた被害者
だから、あんなやっつけ対応みたいな父母の離婚と父の転居で、貰い事故のことはもう終わって解決した
そんな風に思っているんですよ

そもそも口を出してくるなら、関係者じゃなく、立派な当事者なんですけれどね

これは人の尊厳の問題なんです

生物学的な死ばかりが死ではないんですよ
これは精神的な死の話なんですよね

被害者女性にとっては何も終わっていないし解決していないんですよね

■クズでクソだということを思い知らされるだけであったとしても■

被害女性と配偶者の方が、結婚するにあたり加害者である実父に挨拶に出向く場面がありました

被害女性は途中で体調が悪くなり配偶者の方だけが加害者実父と対峙することに
その時、実夫は投げやりな態度を取り早々に車で去ってしまいました

あれに対して「あんな父親に、わざわざ挨拶に行くのは、やっぱり家族だから精神的に離れられないからなのだろうか?」というような疑問というか感想もありました

これは私見です

あんな父親だからこそ自分たちは正面から対峙したいのだと思います
自分たちが正面から対峙して筋を通すことで、相手にも同様にして欲しいということかと

相手がズルくてクズでクソでも他人だったら、こちらも完全に無視して関係を絶って疎遠となりそのまま関係消滅すれば良いでしょう

でも、家族だからこそハッキリさせたいのだと思います

「あの時、全てを認めて謝ったからいいじゃないか」
「もう起きてしまったことは、なかったことには戻せないのだから」
「いつまで過去のことを言っているんだ」
というような、うやむやな終わらせ方では、被害女性と配偶者はこの先の自分たちの人生を納得してスタート出来ないんですよ

加害者自身がもっと真剣に向き合った結果の謝罪が欲しいのだと思います

結果としてはズルくてクズでクソだということが思い知らされるだけであったとしても、逃げずに向き合って欲しいのだと思います

加害者実父が逃げた結果として、やっぱりズルくてクズでクソだったんだというような答えを自分たちで無理矢理導くのでは納得できないのだと思います

自分たちを納得させるために自分たちで答えを無理矢理導くのは正しくないことだと思います

全ては、私見なので、私こそ何も知らない外野が偉そうに講釈垂れずに黙っておけって感じかもしれませんが、綴らずにはいられませんでした