■こりゃ、なんじゃ!別物じゃないか!■
「ヤン坊マー坊天気予報」でお馴染みのヤンマーホールディングス(旧:ヤンマーディーゼル)のマスコットキャラクター「ヤン坊マー坊」
お馴染みと思っている人は、立派な大人な世代ですね(笑)
1959年に、農家や漁師の方に役立つ情報を届けたいという思いで始めた「ヤン坊マー坊天気予報」をきっかけに誕生したキャラクターだそうです
そして、その天気予報も2014年には終了
寂しいですが「時代」の変遷というものですね
♪僕の名前はヤン坊、僕の名前はマー坊
2人合わせてヤンマーだ
君と僕とでヤンマーだ♪
その後の節まで口ずさめる程に刷り込まれている世代です(笑)
日本中に知られている国民的マスコットキャラクター
企業貢献度が非常に高い、マスコットキャラクターの代表格でもあります
実用という点では、限られた業種・業態・職種の人以外に接点のない企業です
にもかかわらず、誰もが知っている企業
認知度を押し上げたのはマスコットキャラクターの力です
そしてキャラクターデザインは、何度かの変更をしています
私の世代は、まだ黒目がちで表情が乏しい、あくまでもキャラクター
途中で半ズボンを着用しなくなり(笑)
目が瞳になって、表情もより豊かになり、劇画タッチの血の通ったヤン坊君マー坊君へ
そこまでは、良かったんですよね
問題は今回2024年1月のキャラクターデザイン変更に伴い発表された3案
これが、大物議となってしまいました
世界中がIoTだIoBだAIだDXだSaaSだRPAだX-Techだなどなどと言っています
創業1907年の100年超企業としては、新時代を意識されたのでしょう
これだけ定着しているマスコットキャラクターです
そのデザインの刷新により、ヤンマーホールディングスは勿論のこと、ひいては業界のイメージチェンジにもつなげたいみたいな思惑もね
その結果、どの案においても従来のデザインは全く踏襲していません
有体な表現だと近未来的なイメージ
攻めに攻めているデザインなんですよね
「どれが良いですか?」
と聞かれて、どれにも投票し難い、別な意味で甲乙つけ難いものに
これは国民総意の物議案件でしょうね(笑)
私は、性格が歪曲しているのかもしれません
物議を醸すことで更に注目を集めようとするところまで企業が織り込み済みで発表したのではないか?とまでうがって考えてしまいました(笑)
■マスコットキャラクターは企業そのもの■
かつて家電販売は、量販店ではなく市区町村に布いた特約店制度が主軸でした
各特約店が販売と設置・メンテナンスを行い全国展開をしていました
この手法が、各家庭の急速な家電普及の最大の貢献となっています
時代に非常に合った素晴らしいスキームとフローですよね
創業90周年の節目を迎えた2008年10月1日
社名を、「パナソニック」に変更した「松下電器産業」
あわせてブランドを全世界でPanasonicに統一しました
その前のブランドはNationalでした
ナショナルの特約店の店頭には、必ずキャラクター店頭人形の「ナショナル坊や」がいました
そして、創業100周年ということで、2018年限定でナショナル坊やが復活
その時は、歓喜したのを覚えています(笑)
復活ですから、当時のキャラクターのままです
ですが、何一つ「古臭い」「時代遅れ」などとは感じませんでした
記憶は人生と生活に繋がっています
マスコットキャラクターは記憶の中では企業そのものかもしれません
その慣れ親しんだ記憶の中にあるキャラクターの造形こそが、そっくりそのまま企業に対する記憶となります
どのような製品やサービスを生み出し、どのように私達の生活に関わってきた企業なのか
懐かしいキャラクターのおかげで、改めてその企業のHPなどに新たにアクセスしてみて、現在を知ることになるかもしれません
そして、現在を知ることは、未来への一歩に繋がります
■支持されるのには意味がある■
もしかしてこれは一過性の事象なのかもしれません
ですが、私は一過性ではないと思っています
現在「エモーショナル」なものが若年層に注目されています
若年層は追体験をして、中高年は懐古する
今は「エモい」が重要なファクターじゃないんでしょうかねぇ?
ちなみに「エモい」は、現代の魔術師と言われる、主食がつぶグミの落合陽一氏が拡散させたということになっているようです
若年層は自分達が一切知らないものに惹かれる時
入り口は、単なる歴史とか昔に対する憧憬という感覚的なものかもしれません
また、一周回ってむしろ新しいとかいう謎サイクル(笑)
ですが、触れる間に知識も深まっていきます
そして、なぜそれがかつて支持されて、また現代の自分が惹かれることになったのか?
そういう「本質」を知ることになります
「エモい」とはその「本質」に対する総称
本質が評価され、若年層を惹きつけているのだと思います
企業が地球規模で、小さな物から大きな物まで動かしていくのには、時代に合っていかないとならないとは思います
でも、それは迎合とは違うとも思っています
変えていくもの、変えてはならないもの
それぞれがあるんじゃないかと
今回のデザイン案は、企業の歴史であり本質まで断ち切ってしまうものに感じてしまうのは私だけでしょうか?
ヤンマーホールディングスさん
「ヤン坊マー坊」今一度、考え直しませんか?