貴女はこのことを覚えていますか? ~毒姉編四部作 其ノ弐~

■これは1つの親孝行の意を形にしたもの■

私が、正しい実態としては、自身は被害者であり何の責任も義務もない「空ローン」の返済を決めた理由

それは、物理的に母の返済能力における原資の限界問題も当然でしたが、他の理由もありました

そもそも、母が会社経営をするに至ったのは、私や姉の進学の資金捻出のため

姉の、美大受験浪人中の費用も、美大の費用も、英国留学の費用も、私の短大の費用も、全ては母がまかないました

小学5年の時に交通事故死した父は、残念ながら債務の方を多く残して亡くなっています

子供達の進学に対する、母子家庭の母親である母の虚栄心やらなんやらはあったでしょう

ですが、きっとそれが100%、360度全てではなかったと思っています(希望的観測含む)

なので、私にはいくつかの思いがありました
「母の会社があったから進学が出来た」という気持ち
それは「母の愛情」だという気持ち

だから「空ローン」の返済を決めました

母がした行為は、その後の母の言動なども含めると到底許せるものではありませんでした

ですが「ソレ」と「コレ」は違います

私は、私なりの母に対する感謝の意を形にしたいとの思いの結果の決断でした

そこに、愛犬の死という悲しい出来事が重なって起きてしまいました

■今にして思えばあの提案は地獄の提案でしかなかった■

一人暮らしを考えていた私に母からの提案がありました
それは、都内で一人暮らしをする姉と、私が一緒に共同生活するというものでした

母は、愛犬を亡くし、一人暮らしをして今後借金の返済もしていく私の事が心配だと
姉妹で一緒に暮らせば互いに助け合っていけて心強いだろうと

私は正直、絶対に嫌でした
姉は、自分のことしか考えず、それを棚に上げて、私の空ローン返済に対して「自分で勝手に決めたこと」だからと言い放った人です

そして、まず何しろ姉が反発をして受け入れるとは思っていませんでした

当時私は、その後管理系という職種ながら、昼夜関係のない働き方をすることになるとは全く想像もしていない、ワークライフバランスが取れた仕事の働き方をしていました(笑)

まだその時は親戚の家の居候の身だったので、私は昼間しか働いてはいませんでした
ですが、一人暮らしをして昼夜のダブルワークによって返済へ充当する目論見でした

私自身の生活の時間が不規則となるのは想定の範囲です

さらに、姉はグラフィックデザイナーです
クリエイティブ職は、業務の特殊性から専門業務の裁量労働者として、36協定の適用除外
したがって、昼夜関係のないブラック職種です

そんな状態で、共同生活などとても考えられません

■テレビに触り「テレビ見ていたでしょ」と視聴禁止を命ずる姉■

実は、それ以前に過去に姉の元で過ごしたことがありました
まだ、姉がグラフィックデザイナーの職に就く前のことです
受験生の私は夏休みを利用して、東京の予備校の夏期講習を受けるべく姉の所に身を寄せました

その時の姉の傍若無人ぶりを私は忘れていませんでした

仕事から帰宅すると姉はテレビに触れます
そうしてテレビの熱を感じると「テレビを見ていた」と指摘するのです
受験勉強の一環で来ているのだから、テレビを勝手に見るなと
併せて、電気代が高くなるからクーラーは極力使用するなと
真夏の埼玉県新座市でのことです
クーラー使用禁止はどうかと思いますけれどね

また、私はお世話になるのだからと、食事当番を申し出ました
ですが、毎日毎日何だかんだとケチをつける
あの期間中、褒められたことは一度たりともありませんでした

しまいには、私を預かるに当たって母からは一銭も貰っていないと
なので、私は母から小遣いとして貰ってきたお金を姉に渡しました
でも「こんなんじゃぁ足りない」と言いました

そのことで引け目に感じる私に対して、それを察して姉はどんどん増長

今のように情報が安易に豊富に入手できる世の中ではありません
地方で生活する者にとっては東京での生活にどの位のお金がかかるものか?など解らないんですよ
相手が「足りない」と言ってきたら
そしてこちらの内訳要求に対して、一重&三白眼の冷たい表情で「私が嘘を言っているって言うのか!」などと詰められれば、何も言えません
2人きりの閉鎖的な逃げ場のない生活の中では何も言えません

モラハラ加害者の毒姉は何もかも解っていたんですよ
私は、経済的に余裕があるわけでもない我が家で、夏期講習代を払って貰いました
だから、無駄にするわけにはいきませんでした
姉は、私がどんなことでも我慢してその期間を過ごすだろうと読んでいたんです
母にも心配をかけまいと、愚痴をこぼすこともないだろうと

だから、自分の好きなようにできるだろうと

実際は、一銭も貰っていないというのは姉の嘘

私は、流石に堪えられず、あまりの酷い扱いの窮状を母に訴えました
すると、事前に母から姉にお金が振り込まれていたことが発覚

その件で母は姉を酷く叱責しました
なので、姉は私との共同生活を拒否すると思っていました

かつ、姉との共同生活を提案する母に、この時の一件を引き合いに出し、強い懸念材料であるとも主張しました

■毒の2人とも「私のため」「家族のため」って言っていたよね■

でも、全くの予想外だったことに、姉は母の提案に賛成しました
賛成というより、もっと積極的な賛同という感じでした

姉は、自分が空ローンの被害者であることに変わりはないので、自分の判断と姿勢は変えられないが、同様の被害者の妹だけに返済をさせるのは心苦しいと
二人での生活により経済的にも多少は節約にもなるだろうし、助け合いたいと
しかも、自分の仕事の時間が不規則なのに対して、なるべく生活に支障が起きないように心掛けるし、気遣うと

また、あの夏の埼玉県新座市でのことについても改めて謝罪をしてきました

その時の私にとって良くも悪くも愛犬の死が、姉との共同生活という決断に影響を与えていました

このまま私が一人暮らしをしてしまえば、その時点でこの家は完全にバラバラになる
それは想像に難くありませんでした

でも、母も姉も「私のため」「家族のため」と言って共同生活を提案してきました

私は思いました
姉との共同生活をすることが正しいと
一人暮らしは単なる「私のワガママ」だと

でも、これは後に毒母も毒姉も「私のため」でも「家族のため」でもなんでもなかったって知ることになるんですよ(笑)

■お願いだから死んでくれと毎晩電話■

私は、ダブルワークとして水商売を選びました
平日の1日と金・土で、自宅マンション近くの、極めてスナック寄りのラウンジで働きながら、2DKのマンションで、姉との共同生活をしていました

姉の空ローンの返済は、一旦、毎月の支払を姉が立て替えて、母が姉の口座へ振込む
という流れになっていました

もう30年程前のことです
今と比較すると、金融機関のサービスの自由度は高くありませんでした

窓口の営業時間に間に合わないと、振込は出来ません
また、当日でも午後の振込は翌日着金となってしまいます
しかも、都市銀行同士ではない「他行宛」となると月末日のように取扱量の多い日などの場合、前日以前の持込みでなければ月末日の着金は確実ではありませんでした

なので、期日に余裕を持たせても「家族だから」良いのではないか?と甘い私は思ったりしていました

ですが、姉は違いました

姉は仕事の合間を縫って、月末には必ず通帳記帳のために銀行へ出向く

そして、母からの振込の有無を確認

振込の実態を確認できなければ、その日の帰宅が終電以降のタクシーによる帰宅となった深夜でも、必ず母へ電話をするという徹底ぶり
それは徹底というより、執念としか思いようがありません

姉の記帳時間によっては、未記帳となるタイミングもあります
でも、そんなのは、姉にとっては全く関係のないこと
あくまでも「自分」が基準

「入金ないんだけれど」と入金催促の電話
その時に欠かさず言う言葉がありました
「お願いだから死んでくれ」というもの

そこから、無関係な古い出来事やらかんやらを、不満として延々と述べて、電話口の母を詰めていきます

それを、壁を隔てた隣室で、聞きたくなくとも、強制的に聞かされる私

さらに私は、自分の契約分は自分で返済をしていました
ダブルワークで不規則な生活をしながら
被害者であるという立場は、姉と一緒なのに

そして、母に対する「お願いだから死んでくれ」電話は、月末日に限りませんでした
たぶん、本人のストレスのはけ口でもあったのかもしれません

なんといっても、家族に対するモラハラ毒人間は、家族以外には非常に常識的に振る舞います

もともと猛毒を持っている尊大過ぎる自尊心の自己愛モンスターです

外で常識的に振る舞う時に、相手が理不尽だったりすると、そのストレスは家族に対するモラハラ言動として向かっていくのかもしれません

毎晩のように母に電話をしては言うのでした
「空ローンをした犯罪者」
「娘の名前を勝手に使って、信用を勝手に利用してダメにしたのだから死んで詫びろ」

そんな時に、私は後に結婚(そして離婚)することとなる元夫と出会いました